どうでもいい人になりたかった
好きだなんて言わなければよかった
キスして抱きしめることなんてなかった
ずっとあなたの隣にいることを考えるなら
間違って凍り付くぼくの青い液体と
正常に燃え盛るあなたの青い液体が
求め合うはずもないのに求め合って
巡り会うはずもない国で結びついた
性的な快楽はぼくたちの肉体を
これ以上にないほどに近づけて離さなかった
誰かに教えられることもなく
とめどない直感がぼくたちの果実を濡らした
けれどぼくが本当に欲しかったのは
あなたの果実に触れる幸福ではなく
青い液体の支配から抜け出した国で
あなたと手をつなぎどこまでも歩く日々
意味のないどうでもいい友達となら
いつまでも笑い合って暮らせたのだろう
気にもならない差し障りのない相手なら
共に世界を巡れたのだろう
愛していると確かめ合ったことで
ぼくたちはいつしか離れ離れになった
愛していると告げなかった世界よりも
もっとずっと孤独になった
永遠に会えない未来を覚悟して
あなたと愛を交わしたわけじゃない
愛は縁を結びもするし壊しもする
ぼくは愛よりもあなたが欲しかった