人間として生まれてしまったからには
鳥のように自由に空を飛ぶことはできない
人間として生まれてしまったからには
魚のように大海原を駆け巡ることができない
誰にもできることとできないことがある
はじめから決められた定めがある
できないことばかり眺めて泣き崩れるよりも
ぼくにできることを見つめて幸せを見出そう
まさにそのようにして
男を愛する男として生まれたぼくには
永遠に叶わない夢があった
それは愛した人に愛されること
夢の中では虚空へと飛翔して
願いの中では深海を冒険して
そんな風にして生命の火をつないできた
決して悲しみの水に絶えてしまわぬように
あなたがぼくに愛していると告げた時
ぼくはまさに夢の中にいたのかもしれない
与えられすぐに奪い取られたとしても
あなたの言葉を宝物のように抱きしめている