男同士ならば手を繋ぐことすら
おかしいと世界が言うから
ぼくたちは小さな部屋の中で
隠れてキスをして心を揺らした
男と女ならば生殖器を舐めることすら
正しいと世界は居直るから
多いということに守られた醜い正義が
美しい間違いを傷付ける狂気を見ていた
あなたに愛していると言われても
いつか離れ離れになるとわかっていた
ぼくが幸せになれないと信じて止まないのは
他でもないぼく自身だった
もっともっと生き抜いてきたこの命を
自分自身で祝福してやればよかった
それができないのは呪いを植えつけた
世界のせいだと恨むことはたやすい
男同士でも好きと言っていいと
気付かないうちにこの恋は終わった
涙が出るほどあなたを求めるなら
その恋に間違いのあるはずがなかった
本当に間違っているのは他人だと
ぼくたちはなかなか指し示せない
本当に間違っているのは世界だと
ぼくたちは言い切らなければ生きられない
もしも直感に従うように
ただ純粋にこの一生を生きられたなら
狂った世界を焼き尽くして言うだろう
この世のあらゆる愛は間違っていないと