ゆるされないことを祝おう
ぼくたちはぼくたちのままで
ゆるされないのに愛していると
交わし合ったことを忘れない
ゆるされているものならば
誓い合うことはいとも容易い
その先にある温かな安堵
誰もがもう旅立ちを冒したくない
わかりきった軌道に則って
誰かと同じ生命をなぞる
危険な荒野を敵とみなしながら
誰かの作った橋をわたる
困難な道をゆく人生を味わおう
行き先の不明な足元を慈しもう
ゆるされないのにぼくたちは
光の中で優しく触れ合った
ゆるされないことを決して望まない
それなのにふたりに否定は降り注いだ
傘の存在も知らないぼくたちは
ゆるされぬ超越に異郷の歌を聞いた