人として生まれてしまったからには
人間として生まれてしまったからには 鳥のように自由に空を飛ぶことはできない 人間として生まれてしまったからには 魚のように大海原を駆け巡ることができない 誰にもできることとできないことがある …
人間として生まれてしまったからには 鳥のように自由に空を飛ぶことはできない 人間として生まれてしまったからには 魚のように大海原を駆け巡ることができない 誰にもできることとできないことがある …
どんなに穢れた浮世であっても 上流は常に清らかで美しい 奥深い森林に護られた精霊たちが 人の魂が帰り着くのを待っている 世渡りばかりに気を取られて 直感を祀ることを忘れていた 他人の目や空気ば…
比類なき悲しみを握りしめ 大いなる運命を打ち砕け 比類なき絶望を抱きしめて かつてない救済を生み出せ あらゆる救いの古い物語も ぼくのために作られたものではなかった どんな魔除けもまじないの言…
大切なものたちを失くせば 自分が欠けてしまった存在に感じられる もはやこれから欠落してしまった者として 欠陥品として生きていかねばならない気がする なくてはならないものなんて この一生にいくつ…
もの知らぬわたしたちは たかが小さな時代だけを切り取り その中で喪失したと嘆いては 天を恨み自らを傷つけた もの見えぬわたしたちは 偉大な者たちの意図を見出せずに やがて還ってくるものを手放し…
ぼくにかけられた 呪いを見つめても 逃げずに抱きしめた人は あなたがはじめて ぼくのすべてを見せて あらゆる正体を明かしても 好きだと告げてくれた人は ただあなただけ 異界の者に見えたでしょう…
人を愛することが 罪となるものならば この人生を生きることを ひとつの呪いだと思った 人を愛したことで 魂を奪われるほどの 罰を受けるものならば 生きる意味などないと悟った いっそ悲しみの海に…
わたしはわたしの火焔に焼かれ この命を失うだろう ぼくが死ぬ理由 〜死と火焔の詩集〜 ・ぼくが死ぬ理由【2018年8月21日】 ・死の国【2018年8月8日】 ・赤い河【2018年3月18日】 ・火焔の柱【…
「もう誰も愛せない」と 雪から手紙をもらったとき あまりに突然で 冬の中に立ち尽くした 世界は音をなくして ぼくの鼓動だけが ひとりきり動いていた とても規則的に無機質に 誰もいないこの世界 …
どうしてこんなに苦しいのだろう どうしてこんなに悲しいのだろう ぼくがあの人を好きになったから これは当然の報いなのだろうか ぼくはここに確かに生きているのに まるで心は生きていないみたいだ …