水色の感性
神聖なぼくの魂を ありふれた部品になんかしないで 胸の奥の少年がそう叫んでいたから ぼくは夜の闇の中へ逃げた 不可侵な宇宙を担う肉体を 分類に当てはめる作業を止めて 誰もが導かれていく偽りの森…
神聖なぼくの魂を ありふれた部品になんかしないで 胸の奥の少年がそう叫んでいたから ぼくは夜の闇の中へ逃げた 不可侵な宇宙を担う肉体を 分類に当てはめる作業を止めて 誰もが導かれていく偽りの森…
十年しても忘れられないなんて 愚かなことだと人は嗤うだろう けれど時を凍りつかせた少年にとって 十年なんて一秒よりも短いの ほんのわずか時が経っただけで 世の中はひどく変わったと噂された 何ひとつ変わってい…
生き延びたいのならこちらへ来いと手招きする声が聞こえる安全な人生を保障しようと誰もが同じ世界へ引きずり込まれてゆく 死なないために生きていくのだといつからかぼくたちは教え込まれた他人の役に立つことが美し…
好きな思いが叶わないことを 人は”恋を失う”と書くけれど あの人への思いが届かなかったとき ぼくは自分を喪失した気がした 肉体が止まらなければ 死んだことにならないだなんて 一体誰が決めたのだ…
夢の中まだ歩いている 聖なるあの道を歩いている 決して消えることのない面影 夏の光が記憶の底を焼いて刻む 果てしないという言葉を ぼくは今まで知らなかったんだ そう感じさせる1本の道 曲がりく…
この少年を傷つけることはゆるさない 野生動物のようにぼくは敵に牙を剥く この少年を守れるのならば死んでしまっても構わない 死なないために生きている命じゃない この果てしない宙の下で 一体誰が敵…
満たされる果実と 解き放つ快楽の狭間で 少年たちは夢を見よう たどり着かない岸辺を眺めよう もしも解き放ってしまえば ぼくたちは死んでしまうから 動物のように喘いだ後で 大切な何かを失くしてし…
少年の果実が 満たされる度に思う 青い液体にはもどかしさと 根源の炎が宿っている 快楽と共に解き放っては すぐにまた満たされ 海がまるで揺れ動くように 忙しく果実は濡れゆく 水色の果実が 満た…
誰にも言えないからこそ 恋は透明になる きらきら光る結晶体は いつまでも消えない 誰にも言えないからこそ 恋は永遠になる きっとあなたは死んでも消えない 生まれ変わる円環にさえ組み込まれる 誰…
電車に轢かれて死んでゆく あなたの姿を見た あれはぼくのことだったのかもしれない なぜかそう思われてならない 迷いもなく死んでゆく あなたの姿を見た 本当はぼくが死ぬはずだったんだと 意味のな…