大人は子供の不良品

子供よりも大人の方が正しいと
この世では誰もが信じて止まない
未熟な子供が成熟し完成したものが大人だと
完全なる大人たちは思い上がり支配を始める

本当は子供たちの方が正しかった
何よりも素晴らしいのは赤子だった
生まれたての純粋な瞳よりも尊いものが
この世のどこにもあるはずがなかった

子供は栄養を蓄えて大人になる
子供は知識をつけて大人になる
子供は経験を積んで大人になる
子供は常識を覚えて大人になる

人間は生きる時を重ねるごとに
己れが賢くなれるのだと信じている
人生を長く生きれば生きるほどに
またひとつ敬うべき存在になったと胸を張る

けれど本当はぼくたちは
生きる度に落とし物をしていたんだ
生きれば生きるほどに喪失を繰り返し
大切なものを見落としていくだけだった

ぼくたちが本当に必要なものは
全体として生きていると確信する炎だった
決して部品なんかにされてはならないと
抗いもがき怒り狂うような野生だった

大人よりも子供の方が正しかった
子供よりも赤子の方が尊かった
大人は、子供の不良品だ
完璧な生命が見る影もなく打ち砕かれるよ

他人の目を気にして「部品」になるよりも自分を貫き「全体」としての生命を生き抜こう

魂の使命を果たすための人生は忙しく、浮世の労働なんてしている暇はない

ぼくには自らの魂を救済する使命があり、労働という下らないまやかしに巻き込まれている暇はない

労働の洗脳と燃え盛る神聖な手紙