異国の穢れ

 

 

美しき清らかな祖国において
異国の穢れを取り祓え
わたしがずっと憧れていた異国は
紛れもないわたしの穢れだった

限りなく壮大な山脈も怪しい
透き通り光り輝く水たちも疑わしい
わたしはいつもさがしていた
異国の中に祖国たちの欠片を

本当は永久の年月を
美しい祖国の天の下で眠りたい
それなのにあらぬ旅の炎が
わたしに旅立てとけしかける

平和と不変の内へと留まるなと叫ぶ紅蓮
どこまでも激しく移り変わるものを求めて
異国の秘境に肉体を移し替える日々
あらゆる民族たちが他ならぬ美を打ち出す

わたしの魂の激流はまるで
生まれ故郷の紀伊山脈の瀑布の水
わたしは祖国の穢れに取り憑かれ
美しく清らかな異国を彷徨っていた

 

 

 

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