わたしという少数民族が
ここまで生きてきたことを祝おう
たちまちに滅び去ると運命付けられた
生命が時に繋がれたことを誇ろう
わたしにしか歌えない歌があった
わたしにしか書けない詩があった
わたしにしか見えない風景があった
わたしにしか着られない服があった
それ以外にこの世で 一体何を望むというの
深まりゆく人の願いの洪水が
わたしたちの心をことごとく襲い
欲望の中を息ができずにもがき苦しむ
同じになりなさいと迷える衆生の声
異なること勿れと憂う国王の命令
わたしたちは苦海の中を
同じ灰色に染められていく
醜くなったわたしの色彩を抱えて
いかに生き抜いていけるというのだろう
誰も彼もが同じに成り果てた世界を
どのように泳いでいけるというのだろう
異なることを見せつけてあげよう
あらゆる人間がおそれをなして
わたしを殺そうと攻めかけようとも
わたしは異なりを鳴らし続けよう
果てしない異郷をあなたにあげよう
見たこともない美しさに怯えるほどに
滅びの定めが天から降り注いでも
わたしは異郷を照らし続けよう