青色の衣をまとうのは
ぼくがまだ生まれていない証
胎児のように時間を遡り
ぼくはまだ何にでもなれる
ぼくの正体を決め付けないで
ぼくに名前をつけないで
「この世のものではありません」
ひとつの存在を超越した鼓動
やがて訪れる春の日の中で
青い液体は快楽とともに溢れ出るけれど
ぼくの果実に青い衣を被せ
生まれる前の淡い夢を見ている
ぼくの髪は原始の空の色
ぼくの爪は果てしない祈りの形
解き放ってもなお大いに生産される
青い液体は古代の海の調べ
見知らぬ不思議な闇を漂うとき
はるかなる光の音楽を聞く
縄文の朝がぼくを呼んでいる
豊かな果実の森へ走り出す