絶対的な朝

 

 

学問がどうしてつらいのだろう
あの人たちの気持ちがわからない
世界のすべてを知る美しい過程を
なぜ疎ましいと退けるのだろう

労働の何がつらいのだろう
たかが人の隙間をすり抜ける道
虐げられることも非難されることも
愚かな言葉と受け流せば他愛ない

根源から引き裂かれる悲しみを知っている
ことごとく魂を否定される痛みを知っている
この世のものではなくなる虚しさを知っている
そうしてぼくは今 ここに立っている

浅はかな浮世の波が襲ってきたところで
心はひとつも戸惑うはずがない
どうでもいいことを問題だと騒ぎ立てる声に
いちいち耳を傾けるはずがない

揺れ動く相対的な夜を超えて
たじろがない絶対的な朝を迎える
鶏と、犬と、木上の鳥たちの声が燃え上がり
その後でようやく人間たちが歩き出すよ

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ