深い怒りに苛まれたとき
わたしはわたしでなくなる
どこからともなく舞い降りた化身
わたしはわたしを旅立たせる
正気を保っていられたうちは
まだ真理の国が霞んで見えなかった
我を忘れた狂おしい日々が
魂を透明な水色へと染め上げた
まともでいなければならないと
思い悩んでいた頃が懐かしい
まともでなんかいられないと
運命づけられた少年はやがて飛び立つ
守るべきものがあるのだと
いつだって瞳の中に炎を燃やした
たったひとつを守り抜くことが定めだと
生命さえ惜しまない覚悟をした
おまえはおまえを守り抜くだろう
死んでもおまえを守り抜くだろう
たとえ肉体は滅んでも炎だけが残存し
揺らぎ続ける永遠が世界を焼くだろう