夜行列車
夜の火車駅はむき出しの心が隠れ住む 昼間にはこの世にたどり着けなかった思いが 寂しさという温度を連れ込んで やがて暗闇の線路へと発進する どこへと流れ着くのだろうか 知っているのに誰もが不安に…
夜の火車駅はむき出しの心が隠れ住む 昼間にはこの世にたどり着けなかった思いが 寂しさという温度を連れ込んで やがて暗闇の線路へと発進する どこへと流れ着くのだろうか 知っているのに誰もが不安に…
凍りつく瞳が見つめる先に 美しい風があるのだと信じていた この世のものとも思えない天空が 心の宝石の光を通り過ぎる 地図のない道を走り抜けた 聞きわけぬ言葉が熱を帯びた 見知らぬ民族が土を踏ん…
おそれを脱ぎ捨て 天空へとつながれ ぼくたちが植え付けられたものたちは ぼくたちを祝福しはしない 他人により植えつけられたものたち どうしようもなかった襲来を憂うまい 自分により植えつけたもの…
天の瞳はふたつではない 天の瞳は無数にある それがこの地球上に散りばめられて 人の手の届かぬ異郷に隠されている ぼくたちは見つけるだろうか 秘密という氷に見定められた記憶を ぼくたちはゆるされ…
天空の城へとたどり着いたなら とめどない怒りをあなたに捧げよう 青き虚空に散りばめられたゆるしが やがて終わらない時を紡いでゆく 世界の先端ではいつも輪廻が泳ぐ あどけない魂たちがすれ違う ど…
憧れるための理由を 自らの中にさがすけれど いつまで経っても見つからない 自分のことなのに答えを持たない あの人を好きになることに 誰にも訳を告げられないように 夏の匂いをどこまでも求める本能…
誰かがあの子におそれを 植え付けることさえなかったら 誰かがあの子の運命を 咎めることさえなかったら いいえ 誰もがあの子におそれを植え付けた 植え付けない者などこの世になかった 誰もがあの子…
悲しいことがあって 遠い昔にぼくは時を止めた 時の流れを嘘だと裁いて 少年は時を止めた まるで宇宙のような真空に 自らの心を浸して まるで氷のような幻想に 自らの精神と沈めて いつまでも少年の…
一度きりではわからない もう一度巡り会わせてください 二度目にあなたに会って初めて それが幻じゃなかったことを知る 人の心はおよそ疑い深く 本当か嘘かをいつまでもさぐり合う 思いを通い合わせた…
植え付けられたおそれに従い生きたなら 傷つくこともなく楽なのに 植え付けられたおそれを脱ぎ捨て 光へ向かって飛び立ちたい この生命が生まれ落ちたのは 肌を守り抜くためなんかじゃない この生命が…