遍路の輪廻
お遍路は輪廻転生の道のり ひとつ終わればひとつ始まる ひとつ極まればひとつ飜る その繰り返しが世界を象っている 誰もが命の終わることを嘆き悲しむ 終わることは巡りの点だと道は語る 口で説明され…
お遍路は輪廻転生の道のり ひとつ終わればひとつ始まる ひとつ極まればひとつ飜る その繰り返しが世界を象っている 誰もが命の終わることを嘆き悲しむ 終わることは巡りの点だと道は語る 口で説明され…
極めて清らかな水でさえ ひとところに留まっていては穢れゆく ぼくたちが神性を感じるのは 停滞する水ではなく激流だ あらゆる水の姿を押し流せ 今という一瞬すらなかったかのように あらゆる過去の夢…
捨て去ってしまおう変わり者を 築き上げよう平和な国家を 末端にあるものから消し去れば 色彩は統一され容易く操れる 大人しく従順な愚か者を 賢き人々だと作り替えて 何ひとつ考えない者たちを 聡明…
歩くためのすべての途上は巡礼の道 ぼくたちのあらゆる炎の行いは聖なる旅 愛であろうと血であろうと それを穢すことは決してゆるされない 愛しているからと欲望で引き止める者 親だからと言って情で翼…
暗い部屋に響き渡るあなたの泣き声を 遠い昔に聞いた覚えがした それは自分自身からの切実な祈りの結晶 叶わないことは叶わないと言い聞かせる雪崩 どんなに青い悲しみが心を覆い隠しても 心に熱源が備…
あなたがひどく痛む姿を見て ぼくはあなたの痛みをわからないと告げよう 優しくすることはとても簡単だけど 嘘をつくことであなたを笑わせることをやめよう 共に苦しみを分かち合い 共に喜びを分かち合…
ぼくがバリ島に生まれていたなら ヒンドゥーの神々に慣れ親しみ ぼくがスペインに生まれていたなら 日曜日に美しい教会を訪ねただろう ぼくがブータンに生まれていたなら 天空の中の輪廻転生を心より信…
無条件の愛を求めている わけもなく愛するものを探している 理由のつきまとう愛なんて 穢れと同じだと精霊が告げる 誰もが原因を持った愛をかざしている 何かに導かれて人々は愛をまさぐる 浮世の虚し…
誰も旅したことのない国なんてない 誰も眺めたことのない風景なんてない 誰も語ったことのない言葉なんてない 誰も思いついたことのない考えなんてない それでもぼくたちは思い上がり 自らの旅は特別な…
満ちてゆく月の影に照らされて どこまでも旅立つふりをする夜 ゆるしてほしいと何度も大地に伏したことを 月だけが知っている 愛されない運命が決まりきった文字のように 本の中に並べられて凍りついた…