無所有の光
この命の果てでどうせ何もかも 失ってしまうというのなら なぜぼくたちは手に入れるのだろう なぜぼくたちは所有するのだろう 借り物であることを忘れて 自分のものだと欲望に支配されたとき ぼくたち…
この命の果てでどうせ何もかも 失ってしまうというのなら なぜぼくたちは手に入れるのだろう なぜぼくたちは所有するのだろう 借り物であることを忘れて 自分のものだと欲望に支配されたとき ぼくたち…
まっすぐに育つはずだった 自己愛の幹は 方々に散り散りとなりて 隙間なく埋め尽くされるはずだった 正当化の枝は おかしな方向を象って この世にはない方角を示し始める この世に生まれるはずだった…
わたしという少数民族が ここまで生きてきたことを祝おう たちまちに滅び去ると運命付けられた 生命が時に繋がれたことを誇ろう わたしにしか歌えない歌があった わたしにしか書けない詩があった わた…
鏡であるのに姿が見えない わたしは異国で立ちすくむ 砕かれた鏡に映し出されるのは 見まごうことなき真理の岸辺 わたしがわたしであろうとして 多くの人を傷つけた わたしがあなたになろうとして 見…
あなたがわたしにすべてを明かしても わたしはあなたに何も明かさない 望まれもせずに秘密を明かすあなたを わたしは遠い異国から眺める あなたの言葉がわからなかった あなたの心がわからなかった あ…
孤独を手放したい 苦しみから逃れたい 悲しみは要らない おそれから解き放たれたい それは本当にすべて あなたの言葉ですか 誰かが言っていた理屈を 真似してはいませんか 孤独に凍りつきたい 苦し…
あなたの口元であなたを覆う そのひとつの白い布の正体は あなたが与えられないためのものですか あなたが与えないためのものですか あなたの白い境界線はその両方を担い ひとつの存在がふたつの対義を…
あなたがまったく新しい扉を開くときは それを決して他人に話してはならない 氷のように冷たい始まりの感触を あなたの尊い孤独で担わなければならない ぼくたちは旅立ちを告げない 見知らぬ異国へと赴…
今のあなたのままではいけないと ぼくを否定することがあなたの仕事だろうか あなたがぼくのすべてだった頃を思い出す あなたがぼくを育んだ日々を思い出す どんなあなたでも生きていていいのだと あな…
ナイことよりもアルことの方が嬉しい アルことよりもナイことの方が虚しい 少年たちは自らの果実を誇りに思う ナイことは恐ろしいと天に向かって歌いながら すべての人間に余れる果実がナケれば ナイこ…