果実のエナジー
果実だけがぼくたちのすべてだった 果実が快楽へと導かれる道をさがしては 昼も夜も彷徨い歩いた ねぇもう一度 果実に青い液体の快楽を ずっと昔はこうじゃなかった 世界のあらゆる光を求めていた 優…
果実だけがぼくたちのすべてだった 果実が快楽へと導かれる道をさがしては 昼も夜も彷徨い歩いた ねぇもう一度 果実に青い液体の快楽を ずっと昔はこうじゃなかった 世界のあらゆる光を求めていた 優…
どうしてここにいるの 誰を待っていたの なにひとつ思い出せはしないけれど あなたは いま ここにいる 1971年1月1月 発行 値段 3300円 丁重に施された厚いカバー 表紙には見知らぬロシ…
少年たちは誰もが 青い液体を射出する快楽に夢中になっている 若さがもたらす快楽を忘れることができずに 美しい果実のことだけを考えて一生が終わる もしも本当の快楽ならば 永遠に続いてほしいと願う…
欲しいものがたったひとつあった 行きたい国がたったひとつあった けれど泣き疲れているうちに忘れてしまった 生きるほどに遠ざかって消えた ぼくは何が欲しかったのだろう 思い出せないまま魂は移ろい…
ぼくはおまえに会うたびに髪を撫でた おまえが生きていてくれることが嬉しくて髪を撫でた ぼくはおまえに会うたびに髪を撫でた これまで生きていてくれてありがとうと心の中で慈しんだ ぼくたちは生きて…
お母さんとお父さんとぼくと 3人だけがいちばん幸せだったんだ それなのに突然 見知らぬ生き物がやって来て すべてを打ち砕かれた気がした ぼくだけを見て ぼくだけを愛してくれたお母さん どこへ行…
あなたを閉じ込めて 愛していると言いなさいと 夜ごと100回唱え続けたならば あなたはぼくに愛していると言うかしら 愛されない運命をどうすればいい 愛されたい自分をどうすればいい 愛さないあなたを変えること…
ぼくたちが大人になれるのは 子供の自分を過去に置き去りにしたからだって そんなこと誰があなたに言ったの? 本当のことを教えてあげよう ぼくたちが大人になれるのは 子供の自分を奥底の闇に隠して見…
銀色の猫が待っているから あの人の部屋を訪ねてゆくの 神社の傍を通ってすり抜けてゆけば この世とあの世を分かつ神楽坂の世界 相変わらず懐かないままで 久しぶりだと寄り添うこともしない 無視をす…
ぼくの愛する人々が ぼくの旅が終わることを切に願う ぼくの真の生命はただ旅の中 幸福になるためにぼくたちは生まれてきたの ぼくの愛する人々が ぼくの旅の終わることを祝うだろう まともな世界に帰…