眠りの聖域
おやすみなさい 心のままに 旅立ちなさい 疑うことなく 安らかに眠ることを 責め立てる人々が 入ることができない 青い聖域に横たわる 眠ってしまえば悲しみは 遠くはるかな異国になる 生きるたび…
おやすみなさい 心のままに 旅立ちなさい 疑うことなく 安らかに眠ることを 責め立てる人々が 入ることができない 青い聖域に横たわる 眠ってしまえば悲しみは 遠くはるかな異国になる 生きるたび…
人はなぜ死んでしまうのだろう。 裸体で泳いだ宇宙の海に導かれ、ぼくは人がなぜ死ぬのかを知った ・裸体で泳いだ宇宙の海 ・この世で最も深い罪は、この世で最もささやかな雨によってゆるされる ・ウミヘビが陸に打ち…
あなたにもありますか 神様から送られた透明な手紙 あなたにもありますか どこからか送られた啓示 生きているだけでぼくたちは 数々の落とし物をしてきた 喪失して悲しかったこともあるけれど 気づか…
果実だけがぼくたちのすべてだった 果実が快楽へと導かれる道をさがしては 昼も夜も彷徨い歩いた ねぇもう一度 果実に青い液体の快楽を ずっと昔はこうじゃなかった 世界のあらゆる光を求めていた 優…
どうしてここにいるの 誰を待っていたの なにひとつ思い出せはしないけれど あなたは いま ここにいる 1971年1月1月 発行 値段 3300円 丁重に施された厚いカバー 表紙には見知らぬロシ…
少年たちは誰もが 青い液体を射出する快楽に夢中になっている 若さがもたらす快楽を忘れることができずに 美しい果実のことだけを考えて一生が終わる もしも本当の快楽ならば 永遠に続いてほしいと願う…
欲しいものがたったひとつあった 行きたい国がたったひとつあった けれど泣き疲れているうちに忘れてしまった 生きるほどに遠ざかって消えた ぼくは何が欲しかったのだろう 思い出せないまま魂は移ろい…
ぼくはおまえに会うたびに髪を撫でた おまえが生きていてくれることが嬉しくて髪を撫でた ぼくはおまえに会うたびに髪を撫でた これまで生きていてくれてありがとうと心の中で慈しんだ ぼくたちは生きて…
お母さんとお父さんとぼくと 3人だけがいちばん幸せだったんだ それなのに突然 見知らぬ生き物がやって来て すべてを打ち砕かれた気がした ぼくだけを見て ぼくだけを愛してくれたお母さん どこへ行…
あなたを閉じ込めて 愛していると言いなさいと 夜ごと100回唱え続けたならば あなたはぼくに愛していると言うかしら 愛されない運命をどうすればいい 愛されたい自分をどうすればいい 愛さないあなたを変えること…