命よりも尊い輝き
異常な人間となってもいいから あなたを愛したかった 普通の人間であるという安心さえ あなたのためなら捨てたかった 正常である事を超えて あなたにたどり着く この世で生きる自分を見失い あなたと…
異常な人間となってもいいから あなたを愛したかった 普通の人間であるという安心さえ あなたのためなら捨てたかった 正常である事を超えて あなたにたどり着く この世で生きる自分を見失い あなたと…
襟裳岬は光でいっぱいに満たされていた そのまま五木寛之さんの「仏教への旅」の映像を流しながら 海沿いに車を走らせた 心地よい光たちと、気温と、風と 五木寛之さんは絶望から始める人生にこそ希望が…
知床半島で鮭の遡上を見て、写真を撮り、詩を書きました。 鮭の遡上の詩3選「妨げる柵」「命よりも」「真の敗者」 ・妨げる柵 神聖な野生の炎を妨げるようにして、合理的な柵は設けられる。人間達はもはやなす術はない…
何かを隠している森 何かを宿している森 何かを担っている森 わたしはただ おそれをなす 美しい光に迷い込みながら 森は気配を生み出し続け やがてわたしの魂をさらうだろう わたしはそれを恵みだと…
ぼくたちは秘密を持っている 美しい果実を隠し持っている けれどその秘密ははじめから暴かれている 明かすためにこそ秘密は敢えて閉じられる ぼくたちは秘密を持っている 青い液体を隠し持っている 洗…
生まれながらの運命を どのようにして打ち砕こうか 少年は見果てぬ夢を見て 幾度となく無様に転落した 生きることは悪夢だと繰り返して 他人さえ顧みる時を失くした ただ自らと今だけを見つめて 炎の…
あなたにぼくのすべてを見せられるまで ぼくは青色の衣を脱ぎ続けよう ぼくの中の破壊も創造も維持もすべてが あなたの肺を満たし息ができなくなるまで すべてを見せることは切なくて苦しい 本当は秘密…
破壊だけでは生きられない すべてを否定した後でぼくたちは 凍りついた自らをいたわるように 何もかもをこの腕から生み出す 創造だけでは生きられない つくり上げた美しさに振り向きもせず ただ燃え盛…
誰にも気付かれないように 旅の支度は始められる どこへ行くかと問われないために いつ帰るかと聞かれないために 旅立ちを知らせる風の住処を 自分自身でも知りはしない いつでも飛翔を遂げられるよう…
少年が絶対的な存在を生きるとき 彼はまだ巡礼の道に気づかない 燃えさかる一瞬の炎を貫き通して 広さのない点でしか世界を見出せない あちらからこちらへと渡るからこそ はるかなる巡礼の道は示される…