それよりもひとつ美しいものを
素晴らしいものと美しいもの どちらかひとつを選ぶなら ぼくは迷いなく 美しいものを選び取ろう 倫理的なものなんて要らない 善良なものなんて要らない 徳の高いものなんて要らない それよりもひとつ…
素晴らしいものと美しいもの どちらかひとつを選ぶなら ぼくは迷いなく 美しいものを選び取ろう 倫理的なものなんて要らない 善良なものなんて要らない 徳の高いものなんて要らない それよりもひとつ…
男ではない人がいる 女ではない人がいる 男でも女でもない人がいる あの人はいったい誰なの 男であると語る人がいる 女であると語る人がいる 男でも女でもあると語る人がいる けれど本当はあなたは誰…
学問がどうしてつらいのだろう あの人たちの気持ちがわからない 世界のすべてを知る美しい過程を なぜ疎ましいと退けるのだろう 労働の何がつらいのだろう たかが人の隙間をすり抜ける道 虐げられるこ…
矛盾に身を浸し 無秩序に身を浸し 混沌に身を浸し 無常に実を浸し 不条理に身を浸す それにより異質な場所へと踏み入れるおそれではなく むしろ故郷へと 帰り着く思いがするのなら あるいはそのよう…
ぼくの感性を泉源とする言葉たち 何の役にも立たない 誰にも利益を与えない だからぼくは書き続けられる 清らかな泉の水は 枯れることを知らない 理由がなくても 生きていいんだよ 与えなくても 生…
誰もが火を持っている たったひとつの火を隠して歩いている 内なる火の声を聞くことが ぼくたちの生きていく意味だ 火を絶やすことなかれ 火を遠ざけることなかれ 美しい火に濁世の泥をかけて 灯りを…
魂が待っている ぼくのもとへ帰ってくるのを 避けられないさよならが この世でふたりを分け隔てても 生きているうちにたくさんの 美しい風景を見つけたのは どんなに悲しいことがあっても 心の中に慰…
おやすみなさい 心のままに 旅立ちなさい 疑うことなく 安らかに眠ることを 責め立てる人々が 入ることができない 青い聖域に横たわる 眠ってしまえば悲しみは 遠くはるかな異国になる 生きるたび…
人はなぜ死んでしまうのだろう。 裸体で泳いだ宇宙の海に導かれ、ぼくは人がなぜ死ぬのかを知った ・裸体で泳いだ宇宙の海 ・この世で最も深い罪は、この世で最もささやかな雨によってゆるされる ・ウミヘビが陸に打ち…
あなたにもありますか 神様から送られた透明な手紙 あなたにもありますか どこからか送られた啓示 生きているだけでぼくたちは 数々の落とし物をしてきた 喪失して悲しかったこともあるけれど 気づか…