人は生きていくたびに
喪失していく生き物
それゆえに絶え間なく創造しなければ
もはや魂は生き残れない
無限に愛を注がれる時代を見失い
責め立てられる時代が残った
美しき絶対的な女神が移ろい
ただの老いていく女と成り果てた
ぼくたちの揺るぎない根源の風景
今はどこにあるの どうすればたどり着けるの
当たり前のように見えていた色彩が
はるか遠くの彼岸へと霞む
ぼくたちの絶対的な故郷の面影に
もはや誰も触れられないと嘆いた
ぼくたちはただ生きるたびに
心から求めている国から遠ざかるだけ
それでも魂は彷徨いから救われる
ただ自らが何によって支えられているかを知る時
ぼくたちの心が今も壊れずに生きられるのは
ただ絶対的な愛の上に立つことをゆるされているからだった
何ひとつ喪失なんてしないと
強がりながら生きるならそれもよかろう
けれどぼくたちが完全なぼくたちでいられるのは
ただ誕生の瞬間以外にありはしない
絶対的な魂から相対的な心へと
全体としての生命から組み込まれる部品へと
移り変わるたびに根源は燃え上がる
たどり着きたい国はこの足の先にはないと