水色の少年は死んだ

 

 

奪うのならばなぜ与えたのですか
虚空に向かって少年は問いかける
幸せにはなれないと泣いていた少年に
さらなる絶望と孤独が注ぎ込まれた

希望も夢も美しい未来すら持たずに
心を閉しながら生きていた少年に
神様は唯一の光を与えた後で
それをことごとく奪い去った

最初から幸せにはなれないと
泣きながらも必死で生きていたのに
容赦なく絶望と孤独は追加され
水色の少年の心は息もできずに死んだ

生まれてきてよかったと言いたかった
生きてきてよかったと感じたかった
生きていてもいいんだよといつの日にか
自分自身を思い切り抱きしめてやりたかった

あなたに出会うことでぼくの心は殺されてしまった
これ以上奪われないほどに何もかもを喪失してしまった
たったひとつ掌に残されたものは
意味もないあたたかさを宿す手袋だった

 

 

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同性愛者として生まれた水色の少年は、この人生で幸せにはなれないのだと悲しい覚悟をした

シベリア鉄道の旅でぼくを寒さから守ってくれたのは、大好きなノンケの親友がくれた手袋だった