青色の涙
悲しいことがあって 遠い昔にぼくは時を止めた 時の流れを嘘だと裁いて 少年は時を止めた まるで宇宙のような真空に 自らの心を浸して まるで氷のような幻想に 自らの精神と沈めて いつまでも少年の…
悲しいことがあって 遠い昔にぼくは時を止めた 時の流れを嘘だと裁いて 少年は時を止めた まるで宇宙のような真空に 自らの心を浸して まるで氷のような幻想に 自らの精神と沈めて いつまでも少年の…
一度きりではわからない もう一度巡り会わせてください 二度目にあなたに会って初めて それが幻じゃなかったことを知る 人の心はおよそ疑い深く 本当か嘘かをいつまでもさぐり合う 思いを通い合わせた…
植え付けられたおそれに従い生きたなら 傷つくこともなく楽なのに 植え付けられたおそれを脱ぎ捨て 光へ向かって飛び立ちたい この生命が生まれ落ちたのは 肌を守り抜くためなんかじゃない この生命が…
ラオスの美しい布 本当はいくらするの インターネットさえも教えない 美しさの値段がわからない あらゆるものに値札がついて それを受け取るだけの人生ならば どれほど楽だったことでしょう 美しさの…
いつだって明日には この世にはないかもしれないものたちと ぼくたちは共に生きている なにひとつ儚さを知らずに 明日もどうせ一緒にいられるだろうと 祈りにも似た思い込みを寄せて 憎みかける疎まし…
冬のある国へと迷い込んでいた 夏しか来ない国々を通り過ぎて やがてたどり着いた季節を纏う 祖国と同じ冷たさが訪れる国 彷徨いの魂が根源の土を拾い上げ その匂いの中にある冬を摘み取る いつまでも…
雨に打たれて歩くうれしさを 忘れていました時の彼方へ 雨の中、水の滴とともに歩むあどけなさに もう一度ぼくの灯火を見つける 降り注ぐ雨と光の粒を祝おう 冷たさと煩わしさを脱ぎ捨てて 雨を憎んで…
あなたが結ばれたことを知っても ぼくは平気でマンゴーを食べられる 照りつける黄色に染められた 雨季のシェムリアップの街角で 鮮やかな傘が仏の御頭にかざされて 黄金の寺院が夏の中に揺れる ぼくは…
あなたを失ったのに どうして生きてきたのだろう あなたなしのぼくに どんな意味があるのだろう あなたに出会う前までは どのように生きていたのだろう あなたがいなくなった朝は 何もない淡い光に満たされていた …
山の民族は海の民族にはなれない それを知っていたから海へととけ込んだ 生まれる前から決まっているものはなに 生まれてから決められたものはなに どんなに祈っても叶わないことがある それを知ってい…