ぼくが少年でなくなったとき
ぼくはこの世から消えるだろう
砕け散る硝子の城が
胸を突き刺して銀河を終える
時の流れを堰き止めた
淡い光の満ちる春の夢の中で
生まれる前からの子守唄を聞きながら
安らかな眠りへと旅立つ
狂おしいほどに人を愛したことで
ぼくはまた少年に帰ってしまう
こんな果実の快楽などいらないと
人を愛した罪をいつまでも背負う
清らかなものはいつも冷たく
ぼくはまた果実の感覚を落としてしまう
それなのにとめどなくあふれ来る若さに
ぼくはまた果実を見つけてしまう
あらゆるものは波の形をして
揺れ動き合い迫ってくる
世界へと瞬時に解き放つものたちを
尊びながら果実を幸福で満たしていく