生命の季節

 

 

この世に生まれ落ちたはじめての冬
あらゆる大自然は深く息を潜めて
すべての大地は白銀と青に染められ
世界は終わりを告げたのだと悟った

それなのに春がもう一度訪れることを知った
季節は円を描き巡ることを知った
ぼくたちの世界は揺るぎない終わりを超えて
また始まりを継ぐのだと誓った

ぼくたちは今、春を知らない赤子のように
生命の終わりの物語を知らない
何があるのか、何が待っているのか
信じることでしかその先を語れない

死を告げたかのような世界に春が舞い戻り
すべての生き物が再生を伴うように
まさにそのようにしてぼくたちの生命は
春の淡い光に包まれるに違いない

なんだそういうことだったのかと
四季が巡るように、生命も廻っていたのだと
ただそれだけのことだったのかと
“生命の季節”に微笑む日がきっと来る

 

 

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