プラナカンの夜

 

 

雨の音かと思った爆竹の襲来
途切れることない白装束の人々
何が起こったのかわからないまま
異国の夜は深まってゆく

何があったのですかと問うのは容易い
されど答えを求めるばかりの命なら
淋しいのですと時は言いけり
不思議な幻影にしか灯らない異国情緒

プラナカンの街並みが通り過ぎて
支那の赤色が夜を染め上げて
もう戻れないと疑うほどに深まる
異郷の気配をいっそ飲み込んでしまおう

立ち止まる者たちはいないのか
夜をさまよう魂はゆるやかに
滞りなく明日へと向かいながら
雨季の現たちを洗い流してゆく

唐突に導かれた光に
戸惑いを隠せない旅人
さぁ出口だと誘い出す老人が
同じ遺伝子の彼方へと消える

 

 

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