天の瞳はふたつではない
天の瞳は無数にある
それがこの地球上に散りばめられて
人の手の届かぬ異郷に隠されている
ぼくたちは見つけるだろうか
秘密という氷に見定められた記憶を
ぼくたちはゆるされるだろうか
やがては帰りゆく天空への悟りを
辺境にこそ宿る中心
境界線にこそ流れ込む宇宙
すべては連なりと繋がりを湛え
神々しい雪山が超越を促す
茶により麗しく交わる人々
馬たちが夢を見る古道
凍りつくような空と土の間には
祈りを閉じ込めた石たちが眠っている
火と水を天空へと返せ
清らかな魂だけを呼びもどせ
もう誰も振り向かなくなったものたちに
慈しみと天の瞳は注がれる