ふたりの肌

 

 

あなたの肌を傷つけても
ぼくは何も感じない
ぼくにとってはそれが
不思議で仕方がない

どうしてぼくも一緒に
痛みを感じないのだろう
どうしてあなただけが
痛いと泣くのだろう

あなたの肌はただ
あなただけのもので
あなただけに痛みを
伝えるためにそこにある

ぼくの肌はただ
ぼくだけのもので
ぼくだけに快楽を
教え込もうとする

ふたりが同時に傷つくことの
できる肌はどこにある
共に痛みを抱えて超える
荒野の名を知りたくて

ふたりの影が共に
重なった場所にだけ
降り続く雨があると
信じていたいのです

 

 

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ひとつの肌