〜純潔〜
異物が穢れだというのなら 全ての他者は穢れとなろう 孤独という純白をさすらいながら 純粋という色彩をさぐっていく すべてのものはつながっているから 森羅万象はこの世で絡まり合い 関わり合わない…
異物が穢れだというのなら 全ての他者は穢れとなろう 孤独という純白をさすらいながら 純粋という色彩をさぐっていく すべてのものはつながっているから 森羅万象はこの世で絡まり合い 関わり合わない…
青い液体の満たされた ぼくの果実の皮を密かに剥いて いつしかそれを誇りにしては 少年の夢は揺らめいていた 何度だって天に向かって立ち上がる 堂々とした美しいその姿の先端は 世界へ青い液体を放出…
ゆるされない罪をまとって 生きているのなら思い出して おまえを深き罪の淵にあると 裁いたものは真実の権化か 要らない人間だと打ち捨てられて 傷ついたのなら思い出して おまえを要らぬと吐き捨てた…
すべての旅は巡礼 神聖な気配を身にまとい 俗世の風を祓いのけ 孤独の中を先へ進もう 語りかける過去たちを 今だけは幻に変え 絡みつく縁の糸を 軽やかにほどき給へ すべての旅は果てなる彼岸 あな…
果てしなく流転するのに なにひとつ変わらないものを ぼくは知っている 生まれる前から祈っている 深山幽谷の中に流れる清流のように 常に形を変え続ける鏡面 誰からも忘れ去られたように光の中にたた…
なにひとつ凍えず 生きることが定めなら わたしはこの命を 投げ捨ててしまっただろう なにひとつ燃え盛らず 揺れ動かぬ巌なら わたしは早々に 砕け散っただろう わたしたちは互いに 立ちすくむだろうが そこはか…
この世界に生まれついたとき ぼくたちは透明だったのだろうか 根源から誰かの声がする それはただ優しく歌いかける 支配されてなるものか 血の上流たちに逆らいもした 脅かされてなるものか 広がりゆ…
お父さまにはるか導かれて 幼い頃よく深い山を歩いた 途上で疲れ果てて妹とふたり どうしてそんなに山が好きなのと問い詰めた お父さまはひどく怒り それは尋ねてはいけない質問だと知った 自分の好き…
ぼくの根源には死がある 死が生という水の中に沈んでいる 生の水を費やすための遊びを あなたならどのように働かせる ぼくたちは根源へ帰ってゆく 誰も皆同じように帰ってゆく 例外はゆるされないこと…
燦々と青く輝くあの山々は 厳かな壁のようにぼくに立ちはだかるけれど 今ならわかるあの山脈は 新たなる旅への入り口だ ユーラシア大陸の東の端から西の端へ シベリヤの鉄道はぼくを運んだけれど 広い…