誰もが秘密を持っている
誰にも言えない悲しみを抱えている
バレたら生きてはいけないと怯えながら
絶え間なく降り注ぐ否定を見つめている
誰もが秘密を暴きたがる
誰にも言えない恐れを嗅ぎつける
自分だけが知った他人の弱みを嘲笑い
撒き散らしては魂が滅ぶのを見て悦ぶ
必死に生き抜く者たちの秘密を
踏みにじることにどんな意味があるのだろう
けれど何を言っても人は変わらない
秘密を暴くことだけが他人を見下す術
運命がぼくたちに秘密を与えた
秘密を持たない運命の軌道が混じり合い
暴く者たちと暴かれる者の混沌
泣き声と笑い声が消えることなく響く地獄
秘密を与えられた者たちにとっては
すぐにでも立ち去りたいほど穢れた浮世
しがみついた先でやがて訪れる未来を
信じることすらできないまま時は過ぎた