何百の別れ

 

 

見えなくなるまで見送ってくれていた
あなたの姿をいつまでも忘れない
カトリック教会を通り過ぎれば見えなくなる
坂へと沈んで線路が仏の都へといざなう

もう幾度あなたと
同じような別れを繰り返すでしょう
いつだってまたあなたと
別れを交わすことができると願っている

これが最後なのだと
気がつかないまま人は終わりを通り過ぎる
大切に丁寧に
別れることを忘れていつも通りだと居直る

笑顔で別れることができるのは
また出会えると信じているから
いつだって巡り会えることを知っていれば
別れさえひとつの楽しみに変わる

永遠に別れを告げられるものならば
人間はなんて幸せなのだろう
けれどももう別れを言わせないと
天に命じられる別れが訪れる

何百の別れを超えても
ぼくたちがまた巡り会っているわけを
誰ひとり説明などできない
そして巡り会えなくなるわけさえも

何百の別れを数えたあとで
もう別れを与えないと告げる天よ
また別れたいと祈ることさえ
人間には傲慢だと笑うのでしょうか

 

 

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