少年の置換
わたしが静かに瞑想してわたしを深める時 辿り着くのはわたし自身ではなくあなただった わたしの根源にあるものを疑いもなく求めれば 立ち現れるのは鏡ではなくあなたという光だった ゆるされないことに…
わたしが静かに瞑想してわたしを深める時 辿り着くのはわたし自身ではなくあなただった わたしの根源にあるものを疑いもなく求めれば 立ち現れるのは鏡ではなくあなたという光だった ゆるされないことに…
ぼくには与えられるものが何もなかった それなのにあなたはぼくを抱きしめてくれた 見返りを求めない好きという言葉に ぼくの胸は本当の愛の意味で満たされていった ぼくには奪い取るものが何もなかった…
生きているのだからあなたに会いたい いつかぼくたちのどちらかが先に死んで どんなに切実に願っても会えなくなる日が 絶対に訪れてしまうというのなら ふたりが生きているうちにぼくはあなたに会いたい…
叶わずに終わった恋は美しい 最後まで辿り着く恋だったなら 生々しい肉体の味だけが残っただろう 避けられない争いに命を支配されただろう あなたはさほど素晴らしい人ではなかった けれどあなたへの恋…
今日はあなたに夢の中で会えた あなたは変わらない笑顔をぼくに与えた 夢の中でゆるし合えたふたりだから もう肉体は会う必要がないのかもしれないね あなたと巡り会ったのは神聖な鳥居の前だった 背後…
ぼくたちは自らの悲しみの色を知らない ぼくたちは自らの悲しみの音を聞かない ぼくたちは自らの悲しみの正体に気づかない なぜぼくはこんなにも泣いているのだろう 遠い昔に傷ついた少年を置き去りにして 時の流れは…
もう一度会いたいとぼくは言えない どうでもいい人になら言えること いちばん言いたいあなたには言えない 言葉はなんのためにあるのだろう 深く傷つけ合う運命だったから もう会わないことでしか生きら…
なぜ喪失に苛まれるのだろう 生まれたときにはあなたなんか知らなかった ずっとあなたを知らずに生きてきた それなのに今 ぼくは欠乏している あなたなしでは生きられなかった けれど運命がふたりを引…
あなたへと向かう性欲と発情は 燃えるような肉体の直感 どんなに解き放ってもすぐ舞い戻ってくる 少年の悩ましい輪廻は快楽と喪失の衝動 いつまでもあなたを忘れられない思いは これ以上にない魂の直感…
心が迷妄の中にいたとき ここじゃない場所に救いがあるのだと 暗闇の中でことごとく傷つきながらも 他人の創造物だけをまさぐり続けた 自らの運命に苛まれ 自らの魂が滅んだとき 自分ではない国に活路…