話せる間にたくさん話したね
その手の温もりをいつでも感じてた
与えられる限りを等しく与え合い
生きる日々を惜しみなく共に過ごした
それが一番に大切なことだった
この世を去ったあなたをぼくはもうふり返らない
いない人の面影にしがみつくための炎は
もうないとあなたも知っているから
あなたはぼくを宝物だと言って泣いた
魂を失くしたぼくの肉体にあなたの言霊が流れ込み
止まっていた透明な血が動き出した
もう二度と生まれない方がよかったと言わない
仏になったからと言って途端に
祈りを捧げるなんて笑わせないで
生きている熱と熱を交わすこと以上に
尊い出来事なんてあるはずがないのに
愛するあなたを忘れてしまおう
愛するからこそ忘れてしまおう
永遠のように愛し愛された軌道が
刻み込まれているから今だけを歩こう