ロシヤよ ロシヤよ
わたしの心の根底に咲く花の色は
真白き雪に覆われて見えない
いかように咲き誇られるだろう
オホーツクの怪しく澄んだ青
雲ひとつない冬の空色のあいだ
飛び立った気球にも似た虹色
通りすぎの踊り子たちの振りかざす絹の光色
やがて通り過ぎる1本の鉄道に
揺られながらこの魂は先を急ぐ
いつのまにか列車は命を通り越して
わたしは生きていない乗客に加わる
銀河の果てを流れる線路は
生命の岸辺を揺らしている
水よ 水よ 水に波がはぐくまれ
冬の訪れを鳴らす風が枝を舞う
命は 命は いつのまに
星へと変わってしまったのだろう
わたしたちは知らない わたしたちは見えない
わたしたちの命をなにも