プレトリアの噴水

光が水に乗り天空を飛び散る
美しき白亜の泉 プレトリアの泉
ギリシアの神々が運び伝える
時を超えても変わらない人間の肉体

誰の目にも美しいのは
ただ肉体だけだと
刻まれる彫刻のなだらかな群れ
熱を発しない白い肌たち

様々に国々は移り変わり
刻々と祈りは生まれ変わり
それでもなお美しいと残されるもの
光と水と少年と白い果実

海の向こうにはアフリカが聳え
かろうじてヨーロッパを奏でている
平らな桃の香るかぐわしい道のり
シチリアの春は夏に囚われ

肉体の隆起している表面を
人々は変わらず追い求めている
水面が光に揺れるように
美しい動物の正体を見抜いて

あふれくる古代からの桃の香り
少年の肉体と果実の甘さは絡まり
この上なく尊い快楽の予感が
光に包まれてギリシアへと発散する