果実の感触
果実を触っているのに 何も感じないなんて不思議だ 今までは果実を触ればば必ず ぼくは感じていたはずなのに ぼくはぼくの果実しか 触ったことがなかったから 果実を触れば必ず ぼくは快楽を感じてい…
果実を触っているのに 何も感じないなんて不思議だ 今までは果実を触ればば必ず ぼくは感じていたはずなのに ぼくはぼくの果実しか 触ったことがなかったから 果実を触れば必ず ぼくは快楽を感じてい…
わたしは常識を信仰しない わたしは感性を信仰する 疑わしい違和感を感じるものには 常識だろうと進みゆかない この世では 生きにくいことこそ美しい 浮世では 蔑まれることほど尊い 誤りばかりの世の中で 上手く…
どれくらい自分の果実で 遊ぶのと君は尋ねた ぼくは恥ずかしくなって すぐに君から顔を隠した 俺は毎日だと 告白した君の笑顔 まだ誰も触れていない果実を 君は毎日触るんだね ぼくも毎日だよと 君…
ふたりにしか入ることのできない 秘密の鍵をねえ 他の誰にも渡さないでね 春の光そそがれる秘密の楽園に ねえ他の誰も 道を教えないでね 君をひとりじめしたいんじゃなくて この楽園を おかしな色で染めたくないん…
青色の衣が揺れるように 旅のさなかで歌声を揺らそう 木漏れ日の揺れが風の姿を示すように 歌の揺れが心の風を起こすよ 光と影が入り混じる世界で ひとり安らかに坐する夢 樹木と水の清らかな聖域で 休息することこ…
1人で見える景色と 2人で見える景色は まったく違う 1人でいるときには 2人で見える景色を見失い 2人でいるときには 1人で見える景色を見失い 結局は何かを こぼれ落としながら 生きるしかない そのように…
ぼくたちだけの秘密 誰にも知られてはいけない それなのに幸福は 光の部屋の中で起こされた 触りあう果実が どちらもとけそうになって 少しでも強く握れば 砕けて落ちてしまいそう 君が誰にも見せない 果実の形を…
強く握られると 少しだけ痛かった 優しく撫でられると 声を止められなかった そんなところを撫でられると 気持ちいいことをはじめて知った 君もひとりの時にそうして 自分の果実を触るんだね 自分で触ることと 君…
真理の果実は人からもらっても その手の中で腐って落ちるだけ 自らの真理の果実を持たなければならない 他人の果実を決して持ってはならない 自らの樹木で 自らの土から 自らの水で 自らの光で 力の限り生き抜いた…
布ひとつの下に 君の果実が隠されている 熱く固く震えることで 見えるよりもその存在を示している 見えるなんてくだらないよ 見えないままで感じたいんだ その熱さで その固さで その動きで そのにおいで 見える…