銀色の膜

 

1人で見える景色と
2人で見える景色は
まったく違う

1人でいるときには
2人で見える景色を見失い

2人でいるときには
1人で見える景色を見失い

結局は何かを
こぼれ落としながら
生きるしかない

そのように欠乏することが
人間の定めであるから

ぼくは
鏡を見つけた

本当はなにひとつ
失っていないことを示すための

銀色の膜

 

 

 

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