〜即身〜
この世から立ち去れば みんな仏になる この世から立ち去れば みんな宝物になる 生きているうちに誰かを 仏と呼びたいわ 生きているうちにあなたに 宝物だと告げたい 命が終わり果てれば あらゆるものはゆるされる…
この世から立ち去れば みんな仏になる この世から立ち去れば みんな宝物になる 生きているうちに誰かを 仏と呼びたいわ 生きているうちにあなたに 宝物だと告げたい 命が終わり果てれば あらゆるものはゆるされる…
重き荷を背負えば 歩みもはるか遅くなる 容易く行けた場所に行けなくなる 誰もができることができなくなる 重き荷が見えるものならば 手を差しのべてくれるものもあろうが ぼくにしか見えない荷物 あ…
詩的な光をさがしている それ以外は何もいらない たとえこの肉体が滅び去っても 詩的な光が残るだろう 南仏の春の淡い光 プラハの朝の遠い光 台南の夏の黄の光 ビルマの夕暮れの紫の光 名を残して何…
人間たちが自らの密かな残酷さを 目の当たりにするために集う 荒野の先にあるのはさらなる残酷か あるいは平和という名の幻影への居直りか 人間が残酷でなかった時代など どこにあったというのだろう …
旅立つことをおそれないで すぐにまた帰ってこられる 人は帰りつかずにはいられないもの どんなに明日が来なくなっても なにもかもを失くしても すぐにまた満ちる日が来る 喪失の中にある出離を ため…
炎の揺らぎに形はない どこまでが先の炎で どこまでが後の炎か 見境もなく震え燃え盛る ぼくたちの存在も 移ろいでは流転する点滅の灯火 なにひとつ同じものを 持たないままに駆け抜ける道 この一生…
青い液体が 大地に滴り落ちて消える ぼくたちはどうして とめどなくあふれ来るものを担うの 赤い宮殿から その欠片が壊れて染まる わたしたちはなぜ 過去からの定めを受け継ぐ ぼくたちは わたしたちは こわくて…
欧州で最も古い石橋の上で 人々はPragueの街並みに夢中になる ぼくは込み合った群衆を退いて 川のほとりからカレル橋を眺める 橋の姿は橋の中から見えはしない まさにそのようにして 橋にたたず…
さまよい果ててたどり着くのは 色彩の薄れたリガの街並み 消え果てた東洋の瞳の欠片たち ぼくは孤独な異国の人になる どこから来たのですか どこへ行くのですか 尋ねられる言葉もない ぼくはまさしく…
祈りなど届かない そのように打ちひしがれた心が この世界には後を絶たない 枯れ果てた生命が土へと帰る 願いなど叶わない そのように諦め果てた思いが 人の心を喪失させて 砂のような人間を生み出す…