青い液体のもどかしい幸福

 

 

満たされる果実と
解き放つ快楽の狭間で
少年たちは夢を見よう
たどり着かない岸辺を眺めよう

もしも解き放ってしまえば
ぼくたちは死んでしまうから
動物のように喘いだ後で
大切な何かを失くしてしまうから

何かに属してしまえば
この魂は眠らされてしまうだろう
青い液体がぼくにもたらし続ける
生きるための神聖な炎は砕けて

どうして少年たちは解き放つ快楽に溺れて
果実を弄んでばかりいるのだろう
解き放たないで満たされ続ければ
もどかしい幸福はやって来るのに

一瞬ではじけ飛ぶ快楽に身を任せるよりも
永遠に蓄えられる青い液体の海を漂い
何者でもない存在となって
地上に降りないままで移ろい続けたい

水色の果実の快楽に支配される
あの喪失の輝きを知っているからこそ
ぼくはまた徐々に満たされゆく
高ぶりの炎の音を慈しんでいよう

本当はぼくだって君と同じように
青い液体のもたらす感触に夢中だからこそ
人と違うことを言ってみたかっただけ
ぼくも秘密にするから 君も秘密にしておいて

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ