叶わずに終わった恋は美しい
最後まで辿り着く恋だったなら
生々しい肉体の味だけが残っただろう
避けられない争いに命を支配されただろう
あなたはさほど素晴らしい人ではなかった
けれどあなたへの恋が叶わなかったから
あなたはぼくにとって神様のように残った
本物のあなたよりずっと意味を深めた
何もかも叶ってしまう人生なんて悲しい
叶ってしまえばこの世の醜さを押し付けられるだけ
叶わなかったからこそ見られる永遠に美しい夢
どんなに泥をまとっても清らかな聖域がぼくたちを守った
あなたの果実は甘かっただろうか
あなたの青い液体は苦かっただろうか
知ることがなければどこまでも愛しさは広がる
叶わない思いの結晶体が心の根源を貫いて
ぼくはあなたにもう一度会いたい
けれど会ってはならないと天空が指し示す
もう二度と会えないからこそ保たれている
永遠の美しさを手放すことを恐れている