少年と永遠の春

 

 

青い液体の満たされた
ぼくの果実の皮を密かに剥いて
いつしかそれを誇りにしては
少年の夢は揺らめいていた

何度だって天に向かって立ち上がる
堂々とした美しいその姿の先端は
世界へ青い液体を放出しようと
潤いを保ちながらふるえている

あたたかく肥大した肉体の岸辺に
敏感で繊細な感覚が押し寄せてくる
触れられるだけで忽ちにして失うだろう
青い液体を閉じ込めている扉を

大地へと滴らせては微睡む
果実をあらわにしては春風を楽しむ
それはきっとはるかなる旅立ち
君の果実を摘むまでの安らぎ

青い液体を喪失したぼくは
まるで存在自体を失ったかのように
眠りについてはまた感じる
とめどなくあふれ来る青い液体の予感を

いつまでも終わらない快楽
どこまでもふくれあがる胸の高鳴り
永遠に春が廻る少年の季節
冬という分子の止まる白銀を知らない

一瞬で果てるからこそ美しい
放出と生産を繰り返し
月のように波のように循環する
ぼくの青い液体は真理の生き写し

 

 

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