果実のエナジー

 

 

果実だけがぼくたちのすべてだった
果実が快楽へと導かれる道をさがしては
昼も夜も彷徨い歩いた
ねぇもう一度 果実に青い液体の快楽を

ずっと昔はこうじゃなかった
世界のあらゆる光を求めていた
優しい光 淡い光 夏の光に誘われて
永遠を旅するように木漏れ日をくぐった

いつのまにか果実に支配されていた
果実以外はどうでもよくなった
あの果実の快楽をもう一度味わえるなら
どんなに無様な獣にだってなれた

ぼくには果実があって嬉しい
ぼくにとめどない快楽を与えてくれる
けれどどうして一瞬で消えるの
そしてもう一度 果実に手を差し伸べる

ぼくたちのすべては果実から生まれる
夏の光の中を駆け抜ける裸体さえも
果実から訪れるエナジーの化身
少年たちが真ん中に宿す 根源の果実

発情と虚無が円環を巡る
放出と蓄積が輪廻を描く
喪失と膨張が転生する
鼓動と脱力が循環する

ぼくには果実があって嬉しい
ぼくに果てしないエナジーをもたらす
ふくらんで揺らぐ果実の底には
宇宙の始まりの光が濡れている

 

 

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