罪を犯さなければ生きられない者
間違えなければ息のできない者
たとえ心が滅ぼされたとしても
密かに魂だけを旅立たせてゆけ
肉体はやがて老い朽ちるだろう
愚かさは生きる度に深まるだろう
それでもなお燃え尽きない根源がある
たとえ死んでも引き継がれる希いがある
迷うことを知らない火炎の龍が
導くようにただひとつの軌道を描いていく
美しく生きることを妨げる浮世を
悉く焼き払うように天を貫いていく
幾百、幾千の悲しみに飲み込まれ
誰の目にも映らない宿命に打ち砕かれ
切なる祈りから生まれ出た飛翔を
この世の誰であっても奪うことはできない
何度でも生まれ変わり虚空に染まるだろう
解脱を許されたとしても浮世に遊ぶだろう
ぼくたちは旅立つのではなく、旅立たされた
あらゆる直感はいつか別れた水色の魂の化身