ぼくを愛してくれる人を探す旅はもう終わった
ぼく以上にぼくを愛することができる人はいないことを知ったから
本当に大切なのはぼくを愛してくれる人ではなく
ぼくが愛したことそのものだと気がついた
愛した人に愛されない宿命だと悟った時
もうこの生命は死んでしまったように感じた
愛されないはずの人に愛された時
ぼくはもう一度生まれ変わった気がした
幸福の基準を愛されることに定めれば
この人生は他人に支配される定めにあるだろう
幸福の基準を愛することに定めれば
ぼくたちは自らの生命を生き直す機会を与えられる
女の肉体よりも愛されなかったぼくは
涙を流しながらあなたの胸の中でこう言った
あなたがこれから出会い交わる女の中にさえ
ぼくほどにあなたを愛する人は決していないと
ぼくはあなたが不幸になることを知っていた
肉体によって励起された発情を超えて
同じ果実を持っていても愛していると交わし合ったのは
ただ一生でぼくだけだと確信するから