〜夢精〜

 

 

自然に脈打つぼくの果実は
君の手だけをひたすらに求めた
脈打つたびに潤いを増す先端は
ぼくが青い液体を宿す証

蓄えたものたちを少年は
本当はいつだって放出したい
蓄えすぎたもどかしい幸福と
解き放った時の快楽が交差する

蓄えたからとて何になろう
持ちすぎた安堵のぬくもりに溺れて
夢見がちに果実を濡らす時
ぼくはもう放出の祈りに染められている

解き放つために宿される液体
旅立ちたくて熱を増す柱
ぼくたちの肉体がぼくらではなくなり
とめどなくあふれ出る日を待っている

蓄える安らぎと解き放つ衝動
森の中の清流に導かれるように
激しく流れ去るものに神聖を覚えるのは
富も、青い液体も同じ

蓄えたまま生命を終わらせることなかれ
蓄えることに生命を充てがうことなかれ
その安らぎもやがては意味深な毒となり
夢の中でさえ解き放たれる感覚を覚える

定めを遡る動物、動じない木々たち
自らの果実の中に感じる野性
解き放つために生まれた一瞬の光
富も、青い液体も同じ

 

 

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