夢の中でぼくは北方領土を旅していた

 

 

孤独に船に乗っていたら
不思議な島へとたどり着いた
今とは異なる時代の世界地図
北の果ての北海道の近くあたり

人々はアジア人と白人が混じり
文字はロシア語のようで言葉は通じない
昼はすぐに終わり薄暗くなりゆく
歩いた果てで小さな空港を見つける

寒くはないけれど白い世界は
活気がなくて辺境を思わせる
昼と夜の境目の薄さは
まるでムルマンスクやロヴァニエミのよう

見知らぬおじさんに花束を贈られ
道の上でひとりフィルム写真を撮られる
これからどうやって日本へ帰ろうと
空港で考えているうちに目が覚めた

ぼくは夢の中でどこへ旅立ったのだろう
ふと思い当たったのは知床半島から眺めた
今は日本人が暮らせない北方領土
島が僕を呼び寄せたのかもしれなかった

 

 

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