あなたがまったく新しい扉を開くときは
それを決して他人に話してはならない
氷のように冷たい始まりの感触を
あなたの尊い孤独で担わなければならない
ぼくたちは旅立ちを告げない
見知らぬ異国へと赴くときはいつでも
不安に押しつぶされそうになるけれど
誰かに相談して語りたくなるけれど
ぼくたちは旅立ちを告げない
奥深くから訪れる清らかな水のように
限りなくゆるされた旅立ちの神聖を
他の誰にも触らせてはならない
おそれを乗り越えて旅立ってしまえばわかるの
あらゆる不安はあなたを試していたのだと
他人から植え付けられるおそれたちを
偽りだと悟り飛翔する翼を知っている
「わたしがおそれる異国に
いつもあなたの姿はない
人は誰もがひとりで旅立つ
たとえ永遠を結び合っていても」