エルミタージュ

 

すべての心に冬が来る
すべての心に雪が降る
それを誰もが止められぬ

少しの祈りも消え果てて
わずかの夢も散り果てて
そして誰もが雪を見る

まるで死へと向かうように
季節の終わる時を知る
もう二度とは帰らないだろう
そんな風に誰もが泣いた

 

すべての命がとけてゆく
すべての命が凍りつく
それを終わりと誰が言う

すべての種族が滅びゆく
すべての国が終わりゆく
常ならぬものを引き連れて

まるで終いを告げるように
嘆く心の浅はかさ
もう二度とは巡り会わない
そんな風に誰もが聞いた

 

あらゆる季節が廻りゆく
あらゆる時計が廻りゆく
それを誰もが見過ごした

あらゆる命が巡りゆく
あらゆる魂が巡りゆく
誰もが忘れても継いでゆく

受け止められる心がなければ
言葉はとけてゆくように
受け止められる愛がなければ
命はないも同じになる

 

あらゆる人の悲しみを
受け取ることができたなら
すべての悲しみは歌になる

あらゆる人の苦しみを
担うことができたなら
すべての苦しみは詩へ向かう

なにもかもを担うこと
どうかゆるしてくれまいか
なにもかもを手放すこと
どうかゆるしてくれまいか

 

 

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