ぼくを棄てた海

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歌に導かれてやってきたのは
訪れたこともない碧い海の彼方
旅するように生きていくのは
あなたに吹き付ける波の姿と同じ

あたたかに迎え入れた島の掌が
ぼくの命に冬を注ぎ込んだ
まさぐられる果実に飲み込まれ
愛してはいけない人を愛した

身も心も滅ぼされたけれど
何度もあなたはぼくを呼び戻した
凍え切った命に夏を注ぎ込んで
まだ生きなさいとぼくを叱った

ぼくを棄てた海よどうせ棄てるなら
なぜぼくを生かしたのか教えてよ
命は母を失い彷徨い歩いて
もうどこにも行けないと泣くの

どこまでも広がる海原にとけた
はるか向こうに神々の島が見えた
サンゴの上に休んでは眠った
不思議な魚たちとウミガメに並んだ

アダンの木が痛く突き刺さる
木と人は同じである夢を見る
巨大な岩が島を守るのを聞く
石と人は同じである島を肯う

ぼくはあの海の彼方で生まれた
肉体ではなく海の碧に生まれた
またぼくを呼んでくれますか
光の雨に虹が染まる碧の世界へ

 

 

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