この肉体と精神から生まれ出るものに
間違いなどなにひとつない
拙い腕をふりかざしながら
正しい世界を導き出していく
自分だけが宝石で
他人はすべて偽物ですか
自分だけが生命で
その他はすべて機械ですか
純粋にそうだと信じ切れたならば
少年の森はおまえを追い出さない
限りなく清らかな水の流れに
おまえの裸体はかき消される
清流は鏡にはならない
上(かみ)から下(しも)へと流れゆく直線
ぼくの心を映し出す鏡はどこにある
神から与えられる時のない鏡面
ふるえながら覗き込めば
宇宙に散りばめられた光が
滞りなく運命をさし出す
凍りついた炎に点滅する
傷つかぬ平和をぼくは望まない
激しく変わりゆく無秩序の中に身を浸し
ほとばしる青い液体にすべてを奪われる
そんな予感が森を支配する
いつかすべてが終わりを告げるその日まで
傷つきながら魂を研ぎ澄ませよう
無数の清流に閉ざされた深山から
水色の少年の歌声が聞こえる