あと何度青い液体を失えば
ぼくは無になれるのだろう
放っても放ってもよみがえる
おそろしさをぼくは快楽と見ている
失いたいと願うばかりに
ぼくたちは自らの果実をかどわかす
喪失の先にある甘い誘惑を
いつだって夢見がちにむさぼる
作り上げた赤い液体を
失くすことなど決して願わず
流れてくる無色の液体を
手放したいとは夢にも思わず
青い液体だけを大地に撒きたいと
あらゆる少年は魔法をかけられる
本当は何ひとつ失いたくない
それなのに少年の手は果実を促す
あらゆる少年の手は
例外なく青い色に染め上げられ
少年であるという生命が
果実を常に慈しんでいる証し