根源の少年と根源の悲しみ

 

ぼくたちは自らの悲しみの色を知らない
ぼくたちは自らの悲しみの音を聞かない
ぼくたちは自らの悲しみの正体に気づかない
なぜぼくはこんなにも泣いているのだろう

遠い昔に傷ついた少年を置き去りにして
時の流れはぼくたちを無理に大人にする
本当は救わなければならない深い傷の在処を
時の砂が隠して見えなくする

ぼくは何のために生きているのだろう
それはぼくを救い出すためだった
ぼくを救い出すためには何が必要なのだろう
まずは涙の理由を見抜かなければならない

根源の少年は永遠に泣いている
ぼくの涙の意味をぼくは忘れ果て
魂の悲しみを凍り付かせたままで
肉体と果実だけが急ぐように育った

何を泣いていたのだろう 何を痛んでいたのだろう
答えに触れられなければ先へ進めない
根源の少年の国へと辿り着き
抱きしめて悲しみとの再会を果たそう

根源の少年は言葉を知らない
根源の少年は裏切られることを知らない
幼すぎて悲しみに打ちひしがれるしかなかったの
まるで天災のように初めての絶望は降り注いだ

思い出しなさい ぼくは少年だった
どんなに果実が育っても ずっと少年のままだった
根源の絶望が根源の少年を怯えさせた
もう人も愛も信じられはしないと

ぼくは今も変わらない根源の少年
夢の中では永遠に泣いていた
救済は思いがけずもたらされるだろう
根源の炎を羅針盤に生き抜いた時

常識に惑わされてはいけない
正しさに匿われてはならない
春の光の中で美しい裸体を清めながら
本能と直感が駆け出す瞬間を待っている

 

 

〜何を泣いていたか忘れても
自分でも見えない悲しみが
流れ続け引き継がれていく
誓いは生きる〜

 

 

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