ぼくの果実を優しく包んで
君の生み出したあたたかい温度で
ぼくの果実は逃げられなくなる
それは君の体温しか知らない
自らですら生きる熱を
確かに持っているはずなのに
他の体温に触れられただけで
その人をさがしたくなる
君の果実も熱を持つ
いつもよりも高まる温度で
ぼくの体温と絡まっていく
失われていた熱を取り戻す
君の熱とぼくの熱がぶつかり合う時
青い液体がうずき始める
異なる熱を感じたときに
果実は甘さと潤いを増す
自らの熱だけでは足りないみたいだ
別のカケラをさがしているみたいだ
包み込まれたぼくの果実は
もう君のものになってしまいそう